クリスマスの好きなはなし-クリスマス休戦-

私のこと

クリスマスのたびに思い出すことがあります。
いまからだいたい100年前にあったと言われる本当のはなし。
1914年の「クリスマス休戦」です。

クリスマス休戦

1914年にはヨーロッパを中心に、世界各国が争っていたそうです。
投入された科学技術レベルでいえば、それまでとは文字どおり異次元の戦いだったと思います。
最前線の兵士たちは日々、互いに数十メートルの距離で常に戦っていました。

そのような中でも、人々が心を通わせ互いにクリスマスを祝ったできごとがあったのです。
同年7月の開戦から5ヶ月が過ぎた、12月24日の夜のことです。

この日だけ参加国のドイツの人たちは、「きよしこの夜」を歌いクリスマスツリーを飾ります。
それに応えるように相手国であるイギリスの人たちも、「きよしこの夜」を歌いました。
言葉の違いはあっても、そのメロディーはたしかに通じていたはずです。
この夜はお互いに争うのをやめて、クリスマスを祝ったのです。
ここから奇跡が起こりました。

夜が明けた25日の朝。
ドイツ青年のひとりが陣地を出て、イギリスの陣地に歩み寄っていきました。
一斉に銃を構えるイギリスの人たち。
ひとりのイギリス将校がこれを制止し、ドイツ青年に歩み寄ります。
ふたりは互いに短い言葉を交わした後に、握手をしました。

これを機にあらゆる人々は歩み寄り、共にクリスマスを祝ったのです。
亡くなった方々をお互いに追悼し、チョコレートやサインを交換して写真を撮影しました。
いくつかの地域では、サッカーをして交流をすることもありました。

クリスマスという日が、たしかに人の心を通わせたのです。
その日だけ、敵どうしは友だちになったのです。

背景にある科学技術

1800年代には、世界のあらゆる技術が格段に進歩しました。
第二次産業革命により、自動車をはじめとする大型鉄製品を大量につくることが可能に。
アルフレッド・ノーベル氏によるダイナマイトの発明。
トーマス・エジソン氏、ニコラ・テスラ氏による電気の実用化。

1900年代初頭には、ライト兄弟が飛行機で空を飛びました。
そして、フリッツ・ハーバー氏による農薬開発技術の応用。

もはやそれまでの、騎兵と銃剣による戦いとは明らかに異なりました。
技術進歩の度合いでいえば、第二次のそれをも上回っていると思います。
このときからもはや戦いは、人の力を大きく超えたのです。

各国の青年たちには、愛国心からヒーローを目指して参加した人もいたでしょう。
技術進歩による戦いの高度化と長期化、心身の疲弊と飢え。
当時の誰にとっても、想像以上のものだったと思います。
「はやく終わってほしい」と、その一心だったのではないでしょうか。

休戦のその後

こののちは1918年の終戦まで、両国がふたたび手を取り合うことはありませんでした。
戦いはさらに広がり、多くの被害を出したそうです。
この時代に投入された多くの技術は、いまでも使われ続けていますね。

おそらくね、争いたくてそうしていた人はいなかったと私は思うのです。
参加した人の多くは、ただ自らの国を愛する人たちであったはずです。
人の力を超えた戦いの時代に、それでも心を通わせ手を取り合った人たちはいました。

正しいと正しいはぶつかりますが、楽しいと楽しいはお互いをハッピーにできます。
これを叶えてくれるのが、歩み寄りのこころだと私は思います。
それをたしかに表してくれている、私の好きなクリスマスのおはなしです。

1914 | Sainsbury’s Ad | Christmas 2014

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